物流機能の強化
生産サイドのお客様が納入サイドのサプライヤーである当社に要求するポイントは、品質・納期及びコストに関して常に満足がいく水準を維持し、製造工場ベースでは、JIT(ジャストインタイム)納品すなわち必要な数量を必要な荷姿で、且つ早すぎず遅すぎないタイミングでの多頻度納品です。
当社は、以下の取組みの実施によりJIT対応の強化を図っております。
- 高精度加工ラインの構築
当社ではこれまでも「より完成品に近い高精度の素材」を提供する機能として流通加工を手掛けて参りましたが、お客様からの「超短納期納品要請」に対応すべく高精度加工ラインの構築を行っております。
高精度鋼材加工ラインの新設に際し、当社の蓄積していたノウハウを機械メーカーとの打合せを通じて充分に反映させることで、他社にない効率的で高精度の切断が可能な加工ラインを構築しております。 - 配送の効率化
切断から納品までのリードタイムの短縮・配送車の積載率の向上を図り、物流コストの削減と、お客様と直接接する配送の質の向上を目指しております。
確実な配送を維持する自社便配達網を整備しております。 - 品揃えの充実
当社の強みであります品揃えの強化につきましては、すべての形状の特殊鋼鋼材の取り扱いが可能であり、この最適化に注力しております。
併せ、製鋼メーカー独自技術を紹介し、流通加工業者としてのポジションを強化しております
BCP対応
当社が、「特殊鋼の物流BCP基盤構築」に取り組む直接的なきっかけの一つに2011(平成23)年3月11日に起きた東日本大震災です。同震災により当社の郡山支店・物流センターが被災、当社の被害は軽微でありましたが、この時の経験からBCPの必要性を強く意識しました。同時に、多くの顧客との連携強化を進めるなかで、日本の基幹産業を支える当社のお客様のSCM(サプライチェーンマネジメント)において当社が占めるポジションの重要性を認識するに至り、顧客対応型のBCP構築の必要性も痛感致しました。
当社が計画している「特殊鋼の物流BCP基盤」の特徴は、平常時と災害時に各支店・物流センターの機能を切り替え、お客様に安心・安全を提供できる物流機能を構築することです。
- 平常時においては顧客のJIT生産方式における重要な物流機能を提供致します。
- 災害時においては当社が自前で構築している福島県(田村郡三春町)=群馬県(太田市)=千葉県(市川市)のホットラインを用いて、「ヒト」「モノ」「情報」を太田事業所・物流センターに集約して、物流機能の継続性を提供致します。
当社太田事業所・物流センターは、東京都心より約100㎞圏内に位置し、北関東自動車道の全線開通により、「高速道路の十字軸」が整備されるとともに、圏央道の延伸効果で物流面でのメリットが更に高まった。現行のお客様の大半が200㎞圏内に位置し、フルカバーが可能である地理的ロケーションの優位性もあります。これに加えて、地盤が強固で、自然災害が比較的に少ないという優位性からも、リスク分散のバックアップ拠点の観点から、当社BCP基盤の事業拠点として最適であると判断致しました。